四国八十八 札所のご紹介【第19番】
   
  

  四国八十八箇所霊場の第十九番札所は、立江寺。徳島県小松島市立江町若松にある、本尊が延命地蔵菩薩の真言宗の寺院です。十八番札所から約4.6kmのところにあります。 

 立江寺は、四国八十八か所に4ヶ所あるという「関所」の1つです。悪いことをした罪人や、邪心をもった人は、関所で大師のおとがめを受けなければならなず、これらの関所を無事に打ち終えることは「お関所もすんだ」ことになります。

 こんなお話があります。享和2年(1802)、お京という娘が不義の末、夫を殺し情夫と丸亀へ逃げ、後に遍路となり立江寺にきたのは享和3年春の夕方。本堂につくと、お京の髪は逆立ち、本堂の前に垂れている太い鉦に巻き上げられ、高く吊り上げられてしまい、狼狽した情夫は住職に助けを求めました。住職は事の次第をたずね、お京がその罪の一切を懺悔すると不思議なことに、黒髪もろとも肉は剥げて鉦の緒に残り、辛うじて命だけは助かりました。二人は過去の過ちを懺悔し、寺の近くに庵をむすび、仏道に精進したといわれています。お京はこの関所で、大師のおとがめを受けたわけですね。

 立江寺は、聖武天皇の勅願所として天平年間に行基菩薩が開創し、光明皇后のご安産のためにと造顕された5cmの金の地蔵菩薩を本尊とし、堂宇を建立されました。

 弘仁6年、弘法大師はこの地にとどまり、現在本堂に安置されている大像を刻まれ、その中に本尊である小さな地蔵菩薩を納められました。小さいご本尊が、後世に紛失されてはと心配されたのです。

 この立江寺の横で、100年以上もお遍路さんのお手伝いをさせて頂いていたのが、お遍路ドットコムこと井上商店です。今は大松町に店舗を構えております。お遍路へお越しの際は是非お立ち寄りください。本には載っていない逸話などもお話させて頂きますね。

 





 
めぐりやすい八十八ヶ所 四国へんろ
(出版社:満願寺教化部刊)
より引用させて頂いております。

     
     
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