四国八十八 札所のご紹介【第15番】
   
  

  四国八十八箇所霊場の第十五番札所は、国分寺(こくぶんじ)。徳島県徳島市国府町矢野にある、本尊が薬師如来の曹洞宗の寺院です。十四番札所から約700mのところにあります。 

 四国霊場の各県に国分寺があり、その最初の札所が「阿波国分寺」です。
 ・二十九番土佐国分寺
 ・五十九番伊予国分寺
 ・八十番讃岐国分寺   となります。

 天平十三年(741)二月、聖武天皇は国ごとに最適の地を選び、金光明四天王護国之寺(こんこうみょうしてんのうごこくのてら)という僧寺と、法華滅罪之尼寺(ほっけめつざいのてら)という尼寺を建立するように命じました。 

 金光明四天王護国之寺・・・とても長い名前ですね! 聖武天皇の「国分寺建立の詔(こくぶんじこんりゅうのみことのり)」によって造られた金光明経(こんこうみょうきょう ※1)を唱える国分僧寺の正式名称なのでこうなりました。

 今の本堂のあるところは、もとは講堂であったといいます。当時は法相宗(ほっそうしゅう)でしたが、弘法大師さまが留錫(りゅうしゃく ※2)されて真言宗になったそうです。

 その後、寛保元年に吼山養師(くざんようし)和尚が堂宇を再建し、曹洞宗に改宗しました。 

 弘法大師が参寵して刻んだ烏瑟沙摩(うすさま)明王は、炎の神でありこの世の一切の汚れを焼き尽くす功徳を持つというところから、寺で授けるお札はお手洗いにまつると、一切のけがれを洗浄し清浄な場所に変えると言われています。 また、下の病気や婦人科の病気からも守護してくださるとか・・・。

 

 

 

※1・・・ネパールでは九宝の一つに数えられ、、4世紀頃に成立
    したと見られる仏教経典のひとつ。
    日本でも法華経、仁王般若経とともに護国三部経として
    信仰される

※2・・・僧が行脚中に一時、他の寺院に滞在すること。

 

 




 
めぐりやすい八十八ヶ所 四国へんろ
(出版社:満願寺教化部刊)
より引用させて頂いております。

     
     
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