四国八十八箇所霊場の第十四番札所は、常楽寺(じょうらくじ)。徳島県徳島市国府町延命にある、本尊が弥勒菩薩の真言宗の寺院です。十三番札所から約2.1Kmのところにあります。
四国霊場のなかで唯一、弥勒菩薩を本尊としています。
弥勒菩薩(みろくぼさつ)とは、釈迦如来の後継者となる菩薩で、56億7千万年の後の未来に、兜率天(とそつてん ※1)というところからこの世に降りてきて仏となり、釈迦の救いを得られなかった人々を救うとされている未来仏さまです。
弘仁六年、弘法大師がこの地で修行されているとき、弥勒菩薩を感得され、大師は霊木にその姿を刻み、堂宇を建立して安置したと言われています。そして「私が目をとじたならば必ず弥勒菩薩のおられる理想の世界に往生して、五十六億余年後に、弥勒菩薩に従ってこの世にまいり、私の歩いた跡をたどりたい」と触れられていることからも、弥勒菩薩を信仰されていたことはうかがい知れます。
※1・・・仏教世界観における天界の一つ。
無色界(最上の世界)・
色界(欲界は脱したが無色界
には行けないものたちが住む世界)・
欲界(我々の住
む世界)に分けられ、その中の俗界の6つの内の下か
ら4番目の世界。 |