四国八十八箇所霊場の第十三番札所は、大日寺(だいにちじ)。徳島県徳島市一宮町にある、本尊が十一面観世音菩薩の真言宗の寺院です。十二番札所から約26.6Kmのところにあります。
焼山寺をあとに、鮎喰川沿いに下ると、変化に富んだ美しい渓谷がつづきます。この辺りは山、そして山、さらに山。少々距離がありますが、13番札所につくまでの自然の景色が、疲れを癒してくれるのではないでしょうか?
弘仁6年(815)、弘法大師が「大師が森」というこの地で護摩修法をされている時に、大日如来が現れ、「この地は霊地なれば一宇を建立すべし」と告げられたそうです。 そこで大師は大日如来を刻み、堂宇を建立し、本尊として安置し、大日寺としたといわれています。
天正年間に、長宗我部元親の兵火によっ焼失するが、まもなく徳島藩主蜂須賀光隆によって再建され、諸国に総鎮守である一ノ宮が建てられた時、門前の一ノ宮を別当寺(※1)として管理に当たりました。
一ノ宮の本地仏(※2)は、行基(※3)作の十一面観世音ですが、明治の神仏分離によって、十一面観世音を大日寺へ移して本尊として安置したため、現在は大日如来が脇仏となっています。 ですので、本尊が十一面観世音菩薩となっているのです。
境内には喫茶食堂があるので、暫しの休息もできます。
※1・・・神社を管理するために置かれた寺。
※2・・・神仏の本来の姿。神の本地であるとされる仏。菩薩。
※3・・・奈良時代の日本の僧。 |