四国八十八 札所のご紹介【第12番】
   
  

  四国八十八箇所霊場の第十二番札所は、焼山寺(しょうざんじ)。徳島県名西郡神山町下分にある、本尊が虚空蔵菩薩の真言宗の寺院です。十一番札所から約16.8Kmのところにあります。 

  四国札所の中には、弘法大師のはからいによって6箇所の苦行の場があります。 ここ12番焼山寺と、20番鶴林寺、21番太龍寺、27番神峰寺、60番横峰寺、66番雲辺寺がそれにあたり、 それぞれ「遍路ころがし」といわれるほど険しい山上にお寺があります。 (いまは、山上まで車道やロープウェイなどが通っていたりしますが・・・)

 焼山寺への山路、とくに垢取(こりとり)川にかかる1つ瀬橋を渡ってから急な坂道になり、山門までの杉木立の中を登るのが大変です。

 縁起によれば、この山には”神通力を持った大蛇”が棲んでおり、作物や人畜に火を吐いて村人たちに危害を加えていて、弘仁6年ころに弘法大師が登山しようとした時も、目の前が火の海であったそうです。 弘法大師は、麓の垢取川で身を清めて、法輪の印を結び、真言を唱えながら進んで行くと、火は順次消えてゆき、九合目付近まで来たとき、岩窟から毒蛇が飛び掛かってきたそうです。

 この時、虚空蔵菩薩があらわれ、弘法大師と共に毒蛇を岩窟に閉じ込め、それ以降、人々は安住することができたそうです。

 やがて、弘法大師は虚空蔵菩薩を刻んで本尊とし、寺号を火の山にちなみ「焼ヶ山ノ寺」、山号を火の恐れがあるので「摩盧(摩盧=梵語で水輪すなわち水の意)山」としたといわれています。

 お寺への途中に、四国遍路の元祖といわれる、衛門三郎最後の遺跡「杖杉庵」があります。衛門三郎については、また別の回に書きたいと思います。

 





 
めぐりやすい八十八ヶ所 四国へんろ
(出版社:満願寺教化部刊)
より引用させて頂いております。

     
     
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