四国八十八箇所霊場の第八番札所は、熊谷寺(くまたにじ)。徳島県阿波市土成町土成字前田にある、本尊が千手観世音菩薩の寺院です。七番札所から約3.8Kmのところにあります。
弘仁6年、弘法大師さまがこの地のやや奥にあたる閼於(あか)ヶ谷というところで修行をされている時、紀州の熊野権現があらわれ、「末世の衆生を永く済度せよ」と告げられました。弘法大師さまは、この時、5.5センチほどの観世音菩薩の尊像を感得(※1)されました。
そこで大師は結跏趺坐(※2)されて日夜精進し、
一刀三礼(※3)して等身大の千手観音像を刻まれ、仏舎利(※4)百二十粒とともに金像の本尊を、胸に納め、堂宇を建立して安置された、と伝えられています。
山門は貞享四年(1687)に建てられたもので、高さ13mの二重門で四国八十八ヶ所霊場で最大の山門といわれています。
※1・・・神仏に信心が通じ、望みがかなえられること
※2・・・足の表裏を結んで坐する円満安座
※3・・・[読]いっとうさんらい
仏像などを彫る態度が敬虔な様子
※4・・・釈迦の遺体、または遺骨
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