納札の使い方は?
   
  

 お遍路さんの持ち物で必須といえば、納め札。

  始まりは、衛門三郎が自分が弘法大師を探しているということを参拝中の弘法大師に知ってもらうため、お寺にお札を打ちつけたのが始まりとされています。かつては、修行者が、修行の成就の証として修行場に残すお札は木製のお札で、柱などに釘で打ちつけていました。このことから、札所を参拝することを「打つ」ともいいます。現在では、お寺の損傷を避け、持ち運びの利便性を考え、紙製の納札を納札箱に入れることなっています。お遍路さんも一人の修行者ですので、この納札を残します。


  納札には住所・氏名・年齢(数え年)・参拝日を書きます。 お願いごとは裏側に記入します。ご自宅で記入して、現地の札所では納めるだけの状態にしておかれるお遍路さんが多いようです。住所は番地までなくても、○県○市○町くらいまででも大丈夫です。参拝日は、当日の日付になるので、前日記入されるか、平成○年○月吉日と記入しておくと、同月でしたら次回も使えます。

 各お寺で納める以外にも、遍路の道中において地元の方のお接待を受けた際にも、その人にお礼の気持ちも込めて納札を渡すことがあります。(お接待は必ずあるものではありません。お接待とは、地元の方の親切やご好意をいいます。)

 
  そして、お札にはいくつかの色があります。結願した回数によってお札の色を変えてもよいとされています。1〜4回が白、5〜7回が緑、8〜24回が赤、25回以上で銀、50回以上で金、そして100回以上で錦の札。ただし、白より錦の札がより良いとされるわけではありません。100回以上回っても白の納札を使う人もいらっしゃるようです。

 

 





 

     
     
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