四国八十八箇所霊場の第六番札所は、安楽寺(あんらくじ)。徳島県板野郡上板町引野にある、本尊が薬師如来の寺院です。五番札所から約4.85Kmのところにあります。
こちらの寺の山号は温泉山。昔この地方に温泉が湧き、諸病に特効があったことから、815(弘仁6)年、弘法大師がとどまり、厄難や病苦から人々を救うために薬師如来像を刻んで、堂宇を建立してそこに安置し、温泉山安楽寺と名付けられたといわれています。
本堂は焼失後六年目に再建されました。この本堂にある薬師如来像は約3mもの大きさです。この像は昭和31年より脊髄カリエスを患い、あらゆる治療をしたが悪化するばかりで、死の直前に追い込まれた愛知県に住む水谷しづさんが、当寺の住職畠田禅峰師に指導を受けて、昭和37年、夫に助けられながら八十八ヶ所巡礼をしたところ、二十七番神峰寺で不思議な霊験を得て全快し、昭和38年、病が治ったことのお礼を込めて奉納されたと言われています。
現住職畠田秀峰師は、年2回にわたって四国遍路を実践されています。畠田師は「病気は医者や薬だけを頼りにするだけでは治りません。治療を受けると同時に、信仰によって心の垢を除き、信念に生きることによって治るものです。その一番よい方法は、信仰に徹して四国八十八か所をお詣りすることです。」と言っています。
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