四国八十八 札所のご紹介【第5番】
   
  

 四国八十八箇所霊場の第五番札所は、地蔵寺(じぞうじ)。徳島県板野郡板野町羅漢にある、本尊が勝軍地蔵菩薩の、真言宗御室派の寺院です。四番札所から交通機関はなく徒歩で約20分のところにあります。

 この土地で「羅漢さん」[※1]として親しまれてるお寺です。  山門を入るとイチョウの巨木があり、建物はコの字型に配置されて、向かって左手が本堂、正面が本坊、右手が大師堂と淡島堂(あわしまどう)です。

 寺は弘仁12年、嵯峨天皇の勅願により弘法大師が開基し、その時刻まれたのが、馬上に甲冑姿で、右手に錫杖、左手に如意宝珠を持ち背に後光をおった、5.6cmの本尊 「 勝軍(しょうぐん)地蔵菩薩 」 と言われています。 後に、紀州熊野権現の遷宮導師をつとめていた浄函(じょうかん)上人が、霊木に55cm程の延命地蔵菩薩を彫刻し、勝軍地蔵菩薩を胎内に納めたと伝えられています。

 羅漢堂は、等身大の五百羅漢が立ち並んでいます。 実名、実聞の二僧が生涯を通じて諸国を行脚し、それによって得た浄財で羅漢像をおさめて堂宇を建立したそうです。 大正4年4月の火災で堂宇を焼失し、その後再建したのが現在の御堂。 さまざまな顔立ちの羅漢が、所狭しと並んでいます。 羅漢の人間味あふれる喜怒哀楽の表情。 これら羅漢の中には、必ず自分の姿や親しい人に似た顔がいるとか・・・。 是非、皆さんの目でお確かめください。


※1、  羅漢とは仏陀の教えを正しく伝え守る修行僧で、阿羅
          漢ともよばれ、まだ、菩薩まで達していない、釈迦の弟
          子で人間として最高の境地に達した者をいいます。

  

 







 
めぐりやすい八十八ヶ所 四国へんろ
(出版社:満願寺教化部刊)
より引用させて頂いております。

     
     
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