経(きょう)を納める「納経」と書いて「のうきょう」と読みます。
この納経ですが、「お参りしてスタンプをもらうこと」、「お遍路=高級なスタンプラリー」というイメージも、時代の流れか・・・今日あるようです。
確かに納経とは、各札所でお経を唱えたり、写経を奉納した宝印を、納経軸や納経帳や白衣に頂くものです。現在は簡略化され、本尊の前で経文を唱えることが納経とされ、写経を納めたのと同じ扱いをして、御朱印を頂けるようになっています。納経料も88ヶ所ともなると、それなりの金額にはなります。高級なスタンプラリーという現代的な表現も、ここからきたのでしょうか?!
本来納経とは、本尊の前で墨を摺り、経を唱えながら写経し、その経文を札所に納めて、その証として、各寺院の本尊の宝印と寺印を押してもらうことで、その時に志やお布施として添えて納めるのが「納経料」なのです。
札所から札所への道中での出来事・出会った人・自分の思いなど、全てがご自身の修行となります。納経は、ただご朱印を頂くためのものではなく、その修行の証でもあるのです。88ヶ所を何度巡拝されても、同じ巡拝の旅はありません。毎回新しい発見や出会いや変化があります。
徳島[発心(ほっしん)]→高知[修行]→愛媛[菩提(ぼだい)]→香川[涅槃(ねはん)]へと巡礼を終えられた後、お大師さまとご一緒に修行されたご自身の変化を、是非感じて頂けたらと思います。 |