四国八十八 札所のご紹介【第1番】
   
  四国八十八箇所霊場の第一番札所といえば、「一番さん」と親しまれる霊山寺(りょうぜんじ)。  徳島県鳴門市大麻町坂東にある、本尊が釈迦如来の、高野山真言宗の寺院です。仁王門には、これから始まる巡拝の心構えを問いかけるがごとく、厳格な仁王像が立っています。その仁王門をくぐると左には、縁結び観音があり、 人、健康、 幸せ、仕事の縁など、様々な縁結びに御利益があるといわれ、数多くの方が祈願されていらっしゃいます。

  霊山寺は、天平のころ、[※1]行基菩薩(ぎょうきぼさつ)が開基し、弘仁6年(815年)に弘法大師が21日ほど留まって修法され、この間、霊感を得て、左手に玉を持った坐像の釈迦如来を刻み、天竺の霊山・霊鷲山(りょうじゅせん)を日本に移すとの意味から、竺和山(じくわさん)霊山寺と号し、第一番の霊場に定められたと言われています。

  室町時代には三好氏の庇護を受け、七堂[※2]伽藍(がらん)の並ぶ大寺院として阿波三大坊の一つでしたが、天正年間に長曽我部元親(ちょうそかべもとちか)の兵火で堂塔は全焼。その後、徳島藩主、蜂須賀光隆(はちすかみつたか)によって再興されましたが、明治24年、通夜堂から出火し、本堂、多宝塔を残して他の建物は焼失してしまいました。本堂と多宝塔以外は近年の再建となります。多宝塔は応永年間(1394〜1428)の建立で六百年の歴史がある建物です。




※1、行基菩薩・・・生きながら「行基菩薩」と称された、奈良時代
            の社会事業に尽力した法相宗の僧。

※2、伽藍・・・僧侶(そうりょ)の住む寺院などの建築物。









 
めぐりやすい八十八ヶ所 四国へんろ
(出版社:満願寺教化部刊)
より引用させて頂いております。

     
     
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